皆さんは、歯を失う最大の原因が「歯周病」であることをご存知でしょうか。虫歯などを差し置いて最大の原因となっている歯周病を予防することは、歯の健康を高齢まで維持するために必要不可欠だということです。そこで、歯周病予防について解説します。
■歯を失う理由の4割を歯周病が占める
「8020推進財団」が平成17年に行った調査によると、「歯を失う原因」は以下の割合であることがわかっています。
・歯周病:41.8%
・う蝕(虫歯):32.4%
・破折:11.4%
・矯正:1.2%
・その他:12.6%
・無回答および無効:0.7%
出典
https://www.8020zaidan.or.jp/m/03.html
全体の約4割を占める原因であり、第2位の「う蝕(虫歯)」よりも約10%も多い割合です。それだけ歯周病は歯を失うリスクを高める要因になるということです。
■歯周病予防は「歯磨き」が基本
歯周病を予防するために重要なのは「歯磨き」です。正しく歯磨きをすることで、歯周病の原因となる「歯垢」を取り除きます。また、「歯間ブラシ」や「デンタルフロス」を利用することで、通常のブラッシングでは取り除けない、歯周病や虫歯の原因になりやすい細かい部分までしっかりと磨くことも重要なポイントです。
■禁煙で歯周病予防
歯周病を予防するためには「禁煙」も重要です。タバコに含まれている有害物質には、歯周病の原因が隠されています。
「タール」は歯に付着してヤニとなり、このヤニに歯垢が付着しやすいことによって歯周病の原因になります。
「ニコチン」や「一酸化炭素」は細菌に対する抵抗力を低下させるので、歯周病菌の影響を強く受けやすくなります。
■定期的な歯科検診で歯周病や虫歯を未然に防ぐ
歯周病予防において重要なポイントの一つが「定期的に歯科検診を受けること」です。歯医者に行くとなると、どうしても「歯が痛む」「虫歯になったから」というように、歯や口の中に異常が見つかった後の話になるイメージが強いです。しかし、それよりも早い段階で歯医者に行くことには大きなメリットがあります。
治療のためではない歯科医院への通院は「予防歯科」に該当します。予防歯科は定期的に歯医者で歯などの状態を診てもらうことにより、歯周病や虫歯を早い段階で発見できるメリットがあります。
どのような病気であっても、病気が進行している状態よりもそうでない状態のほうが簡単な治療で完治させられるケースが多いです。歯周病も同様であり、早い段階で異常を発見できれば歯周病が本格的に進行する前の段階で対処できます。
定期的な通院により、手間と費用がデメリットになるのではないかと思われる人が多いのですが、予防歯科はむしろそれらを省いてくれます。歯周病や虫歯が進行してからの治療は、通院回数も治療費もかさんでしまいます。早い段階であれば治療も軽度なもので済むので、頻繁な通院も高額な治療費も必要ありません。
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