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「歯周病」と「糖尿病」の意外な関係とは?

更新日:2020年6月22日

ある病気が、他の病気に密接に関係しているということは珍しくありません。しかし、同じ臓器の病気であったり、親しい関係にある病気であることなどが多い中、「えっ、これが関係しているの!?」と驚く組み合わせもあります。そこで、意外な関係を持っている「歯周病」と「糖尿病」の関係について解説します。



■歯周病が糖尿病の原因に

歯周病を患っていると、糖尿病の原因となる「高血糖」を引き起こしやすくなります。これには、歯周病によって発生する、とある「化学物質」が深く関係しています。

歯周病は、出血や膿を出すなどの症状を引き起こし、炎症に関連した化学物質が作り出されています。この化学物質が、欠陥を経由して体中に移動します。この時、体の中で血糖値を下げるホルモンである「インスリン」を効きにくくするのです。血糖値を下げにくくなることによって高血糖状態が慢性化し、糖尿病を引き起こしてしまいます。

また、歯周病治療を受けることによって、糖尿病を示す基準の一つである「ヘモグロビンA1C」が改善されることがわかっています。

■糖尿病が歯周病の原因に

上記とは逆に、糖尿病が歯周病の原因になるケースもあります。ある調査によれば、糖尿病を患っている人は、そうでない人と比較して2倍の頻度で歯周病を患うという結果が出ています。

糖尿病を患うと、歯周病の範囲(歯周病の影響を受ける歯の本数など)や歯周ポケットの大きさなど、歯周病がどれだけ重いかを示す数値が、糖尿病ではない人と比較して高い数値を示すことがわかっています。糖尿病の発症期間が長く、血糖コントロールが良好ではない人ほど、歯周病の罹患率だけでなく、重症化率も高くなる傾向にあるのです。

糖尿病によって歯周病を引き起こす原因は、「免疫力の低下」が考えられます。糖尿病によって免疫力が低下することにより、歯周病菌に感染しやすくなるのです。また、血管がもろくなり、血流が悪くなることも歯周病の原因と考えられます

■歯周病と糖尿病の因果関係について

このように、歯周病が糖尿病の原因になったり、逆に糖尿病が歯周病の原因になる可能性があることについて、ご理解いただけたと思います。しかし、歯周病と糖尿病の因果関係のすべてが明らかになっているわけではありません。

さまざまな研究によって数値化されている部分もありますが、例えば糖尿病によって歯周病を発症しやすいのは高い血糖値によるものか、それとも別の背景があるのか、明確にされているわけではないのです。ですが相互に関係し合っていることは明らかであり、歯周病にしろ糖尿病にしろ、早めに治療を開始することをオススメします。


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