歯磨きをする際に「歯磨き粉」を使用する人は多いです。しかし、歯磨き粉の中でも虫歯予防に適したものをご存知でしょうか。それは「フッ素入り」の歯磨き粉です。そこで、フッ素入り歯磨き粉が虫歯予防に最適な理由について解説します。
■フッ素と虫歯の関係
まずは、なぜフッ素が虫歯に関係しているのかについて解説します。虫歯予防におけるフッ素の役割は、大きく分けて3つあります。
1つ目は「再石灰化の促進」です。通常、虫歯菌等による酸の影響で歯のエナメル質が溶けても、唾液の作用により元の状態に戻ります。しかし、脱灰(エナメル質のカルシウムが溶けること)の影響が勝ると、虫歯が進行してしまうのです。フッ素には再石灰化を促す作用があり、虫歯の進行を防いでくれます。
2つ目に「歯質の強化」があります。フッ素が歯に作用することにより、歯質は「フルオロアパタイト」という構造を持つようになります。これにより歯質が強化され、虫歯に対して強い歯に変わります。
3つ目に「抗菌作用」が挙げられます。フッ素事態に抗菌作用があり、虫歯菌の働きを抑制できます。
このように、フッ素には虫歯に対する作用が多く、虫歯予防に適した働きをしてくれるのです。これを歯磨き粉として日常的に使用することにより、虫歯のリスクを減らすことができます。
■フッ素入り歯磨き粉の選び方
フッ素入りの歯磨き粉を選ぶ際には、できるだけ「高濃度」のフッ素入り歯磨き粉を選ぶことをオススメします。虫歯予防に関する効果を維持するためには、より長くフッ素イオンを口腔内に留まらせる必要があるのです。そのため、できれば1450ppmの高濃度のフッ素を配合した歯磨き粉を使用することをオススメします。
■フッ素は危険じゃない?
ネット上では「フッ素は健康被害をもたらす」など、健康上のリスクを伴うというような情報も飛び交っています。では、フッ素入りの歯磨き粉を使うことも、健康に良くないのではないかと思われる人もいると思いますが、実際のところはそんなことはありません。
確かにフッ素には大量摂取による健康被害が無いこともありません。しかし、あくまでも「大量に摂取した場合」の健康被害であり、フッ素入りの歯磨き粉を日常的に使用する量で何らかの症状が出ることは極めて稀であるといえます。なお、何らかの健康被害が出る量の目安としては、一般的なフッ素入りの歯磨き粉を、大人がチューブ5本程度を摂取することで、ようやく中毒症状を発症します。
そもそも、口にするだけで多くの人に健康被害をもたらすような代物を、国が販売を認めるわけがありません。安心してお使いください。
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